2014-02-28

フクオカRuby大賞と沖縄Ruby会議!


Photo Credit: 株式会社 Engine Yard

2014年の2月18日に開催された第6回フクオカRuby大賞の表彰式にて、僕が関わっているRailsチュートリアルの取り組みが優秀賞を頂きました!

SNS上ではちょくちょく写真をアップロードしていたのですが、そういえばブログに書いてなかったので、備忘録的に書いてみたり。ちなみに自分で撮った写真はこちら:


頂いたトロフィーには「Ruby on Rails Tutorial 翻訳グループ」って書いて頂きました :D

目録 (賞金10万円) と表彰状とトロフィー

さて、ちなみにこの目録の使い道についですが、実は半年前ぐらいから使い道を決めていて、翻訳に協力して頂いた方々の RubyKaigi チケット代を負担する方向で使わせて頂く予定です。元々は2013年の RubyKaigi/RubyHiroba で集まった方々がほとんどだったので、また RubyKaigi で集まって「お疲れさま会」的な感じができたらな、と。「今回は来れない」などの諸事情がある方には個別に対応させて頂きます。

また、「お疲れさま」といってもこれで終わりではなく、Rails 4.1 版, Rails 4.2 版などが出て来たら、翻訳メモリという仕組みを使って、すぐに最新版にアップデートしていきまし、他にも色々とネタを仕込み中だったりします :D

というわけで、幸運にも光栄な賞を頂いたりしましたが、これに慢心せず、面白い取り組みを今後とも続けていこうと思います!今後とも Rails チュートリアルを是非よろしくお願いします m(_ _)m

Ruby on Rails チュートリアル: 実例を使ってRailsを学ぼう

...

そうだ、(タイトルにも書いていたのに)大事なことを書くのを忘れていましたorz

2014年3月1日(土) は、琉球大学で沖縄Ruby会議01が開催されます!

沖縄Ruby会議01 トップページ

会場は満席
となっていますが、隣の教室をサテライト会場として開放しているので、沖縄な方は是非お気軽にお越しくださ〜い。また、当日は Ustream 配信も行うので、沖縄にいらっしゃらない方でも、ウェブ上からご参加することが可能です。なお、当日の12時頃からは、トップページの Join が Ust に変わりますよ :D

ちなみに、前日(今日!)の19:30頃から、ギークハウス沖縄という場所で簡単な軽食パーティを開きます。リビングの許容量的に20人ぐらいが限界だと思うので、もし「その時間なら参加できるよ!」という方いましたら、お早めにご参加くださ〜い。

おいしいご飯とギークな会話、ギー飯(2/28 金曜)
※ 那覇空港からギークハウス沖縄までの行き方はコチラ

長文を読んで頂きありがとうございました!もし機会がありましたら会場 or Twitter 上などでお気軽に @yasulab までお声掛けくださ〜い。

2014-01-04

RubyWorld Conference で登壇 && Railsチュートリアルを出版

RubyWorld Conference 2013 登壇時の写真

あけましておめでとうございます!2013年度からの修士課程復学に伴い、現在修士論文執筆中の @yasulab です。もし来年度も修士課程を続行していた際は、お察し下さい...

それはさておき、新春特化セール終了間近のご報告を。2013年11月に松江で行われた RubyWorld Conference での講演「Social Translating: Rails Tutorial と Ruby Hacking Guide の翻訳を支える仕組み」と同時に、Railsチュートリアルの電子書籍版を出版したことをお知らせしましたが、そこでの特化セールが2014年1月5日をもって終了致します!

特化セール中 (2014年1月5日迄!) 

Railsチュートリアルのご購入を検討している方がいましたら、この機会に是非ご購入してみてはいかがでしょうか? :D

 達人出版界より販売中

ちなみに、個人的には一押しのポイントではありますが、本電子書籍は CC BY-SA 3.0 ライセンスで販売されています。このため、本書をご購入して頂いた方であれば、

  • 講義の題材として使用し、生徒に配布する。
  • 勉強会の題材として使用し、参加者に配布する。
  • 研修の題材として使用し、研修生に配布する。

といった利用が可能になっています。したがって、とりわけ講師の方や、勉強会主催者の方、また、研修のコーチの方などにとっては、非常に扱いやすいライセンスになっているかと思います。

Railsチュートリアルによって、全国のRuby/Railsコミュニティが、より一層活発になれば幸いです。

それでは、2014年もよろしくお願いします :)

Railsチュートリアル - 達人出版会
本電子書籍は、達人出版会よりご購入できます.


2013-11-12

TEDxRyukyu: 専門分野を超える難しさと価値


 TEDxRyukyu

光栄にも、2013年度の TEDxRyukyu に登壇する機会を頂けたので、沖縄で実施している教育プロジェクトのアイデアを共有させて頂きました。発表内容は後日公式HPにて公開されるとのことなので、具体的な内容はそちらでお楽しみ頂けたら、と思います。

今回は、発表内容についてではなく、TEDxRyukyu に登壇して学んだ専門分野を超える難しさその価値について書きたいと思います。というのも、今回の登壇を通して、自分が如何にぬるま湯に浸かっていたのかを痛感したからです。


1. 同じ分野の人達と話すと心地よい

同じ分野であれば話題も広がって話しやすい


専門分野で学んだことを、同じような分野を習得した人達と共有することは楽しいです。例えば、僕は Computer Science を専攻していたので、同じ分野を専攻した人であれば、ネット上で流行っている造語や技術的な専門用語を会話で使っても、理解してもらえることが多いです。また、専門分野が同じであれば、興味や関心の対象が似通っていることも多いので、共通の話題を見つけやすく、話が尽きることもありません。

次のプレゼン資料は、その典型的な例です。このプレゼン資料が使われた xHago というイベントの参加者であれば、ほとんどの方は楽しんでもらえるんじゃないかと思います。一方、そうでない方々にとっては、あまり面白くない内容だと感じられるかもしれません。

好きな表現方法で何かを伝えられると楽しいです。また、その内容を理解してもらえたら嬉しいです。当然、そうやって快適にコミュニケーションができるコミュニティは、居心地が良いです。


2. 専門分野を超えて伝える難しさ


Photo by Keita Teruya

しかしながら、TEDxRyukyu のような場では、先ほどのプレゼン資料のような表現は全く通用しません。というのも、同じ分野を専攻している参加者はごく少数で、そうでない参加者の方が、圧倒的に多いからです。

いつも使っている用語や表現を使えないことは辛いです。いつもなら、専門用語を使ってアイデアを短いフレーズで伝えたり、鉄板の表現 (例えば、話題のキャラクターのセリフを引用したスライドなど) を使って場を和ませたりすることもできますが、TEDxRyukyu のような場では、そういった手法が一切使えなくなります。このため、発表で使う用語や表現を丁寧に吟味し、それらを平易な表現に変換する必要がありました。

とはいえ、発表内容を平易で抽象的過ぎる表現にするのも考えものです。なぜなら、あまりに抽象的すぎる内容になれば、TED/TEDx で禁止されているエセ科学的な内容になったり、あるいは「結局、何が言いたかったの?」と思われる内容になってしまうからです。一方で、具体的な内容に踏み込みすぎると、話についていける人はごく少数になっていきます。この抽象度のバランスを調整する作業が難しかったです。

率直に申し上げて、こういったバランスを調整する作業はあまり楽しい作業ではなかったし、実際、発表前の僕はテンパっていたようです。また、僕自身、プレゼンテーションの練習をしながら「これが、もしIT系の勉強会だったなら...」と何度も考えました。自分がいつもいる快適なコミュニティを飛び出し、分野を超えてアイデアを伝えるということは、このような負荷が伴います。


3. 専門分野を超えて伝える価値


Speaker Yohei Yasukawa
Photo by Keita Teruya

それでも、専門分野を超えて伝える価値はあると僕は信じています。専門分野を超えた協力関係が、新しいアイデアや新しい手法を生み出し、そして、インパクトのあるプロジェクトが生まれると、経験を通して実感しているからです。

例えば、次のプロジェクトは、翻訳者 (当時) である八田さんという方と、開発者である自分とが、互いの専門分野を超えて共同で立ち上げたプロジェクトです。

Rails Tutorial
Rails Tutorial 翻訳プロジェクトの紹介スライド

翻訳x開発」が組み合わさって立ち上がったこの翻訳プロジェクトは、650ページもある大型本を、たった1ヶ月で完成させるに至りました。このプロジェクトの成果物である Rails チュートリアルは、企業や勉強会の題材として使って頂き、現在も、国内の多くの開発者に読まれています。実際、この分野横断的なプロジェクトから生まれた新しい翻訳手法 (Social Translating) は高く評価され、11月21日〜22日に行われる RubyWorld Conference の講演テーマとして採択されました。

これは、翻訳の経験と開発の経験とが、うまく組み合わさってできた成果の一例だと僕は考えています。

TEDxRyukyu は、このような分野を超えたプロジェクトを生みだす、土壌なのではないかと考えています。専門分野に留まり続けることは心地が良いし、分野を超えてアイデアを伝えることは、簡単ではありませんでした。それでも、上記のようなプロジェクトが生まれる可能性があれば、僕は分野を横断してアイデアを伝え合う価値は十分にあると信じています。そして、それが僕にとって TEDxRyukyu に登壇するモチベーションでした。

僕のプレゼンテーションがどれほど TEDxRyukyu に貢献できたのかは分かりませんが、それが分野を超えて対話することを促せたのであれば、大変嬉しいです。


最後に


1つ心残りな事があるとすれば、僕は翌日に子供・学生向けの Digital Fabrication のワークショップがあったので、After Party に最後まで居られなかったことです。400人以上もの来場者がいながら、僕が直接対話できた人は100人もいません。それが心残りです。

僕は FacebookTwitter個人サイトも持っているので、もしよければ Facebook Message や Mention/Direct Message などでお気軽にお声かけ頂けたら嬉しいです。何か面白いプロジェクトに繋がれば嬉しいな、と考えています。よろしくお願いします。