2012-12-26

書評:山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた




次の講演動画を見て、山中先生の具体的な考えに興味が出てきたので購入しました。

「人間万事塞翁が馬」 京都大学iPS細胞研究所所長 山中 伸弥 教授
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=ReKaknHHyTM

本書では、上記の講演において、時間の関係で簡潔にせざるを得なかったところを、より具体的に書かれていています。例えば、米国の人はVisionの形成に優れていて、米国に来るアジア人はWork Hard(VM理論)であるとか、米国のプレゼンの授業では動画を撮ってプレゼンターがいないところで Feedback をする (本人を目の前にすると厳しいことが言いづらいから) とか、PADに対する試行錯誤の道程などが具体的に書かれていて、とても参考になりました。

あと、僕がメモした講演動画の簡単な要約ですが、もしよければこちらも参考まで。
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1. 万事塞翁が馬
2. 9失敗、1成功

国立研究センター 研修医
鬼教官 じゃまなか
整形外科になりたかったがセンスがな
かった
研究に向いてるのでは?
薬理学で大学に入り直す
整形外科で治せない病気を治したい
例 全身麻痺 下半身切断の高校生
今ないクスリの研究開発 薬理学へ
仮説 実験 仮説 実験の繰り返し

始めての実験
仮説は意外な結果に。ワクワクした!
それを研究して博士号を取得

3つの分かったこと:
1. 科学は驚きに満ちている
2. 必ず実験で確かめる
仮説は当たらないことが多い
仮説をいきなりやらない
3. あまり先生/上司のいうことを信じない
疑ってかかる
先入観を持たない
誰だって間違える

薬だけでは限界。遺伝子改変マウスへ。
ポスドク@gladstone研究所
4年くらい
所長 ロバート めいりー
VW理論を教えてもらう
今後の人生を成功させる秘訣
1. vision
長期的な目的をしっかり持つ
2. work hard
一杯働く。

日本人はよく勉強するが、目的を疎かにしすぎ。
自分は何のために生きているのか?
勉強いっぱいやるのも大事だけど、
長期的な目標について考える時間をちゃんと設けよう。
自分は何のために生きているのか?目を背けずに考えよう。

アメリカ人の場合
ビジョンを作るのが得意
ただ、ワークハードが苦手
アジアからワークハードな人材をたくさん呼び入れる

自分の研究の話
オスもメスのマウスが妊娠してる!?
実際は巨大な肝臓 約5倍
肝臓の癌 apobec1は癌遺伝子だった!
いいと思ったもモノがダメなモノだった!
何故アポベク1は肝臓を悪くしたのか?
癌抑制遺伝子だから癌になる?
ノックアウトマウスを作って検証

癌抑制遺伝子はマウスの形状を形なすのに必須 分化多能性
NAT1はES細胞に作用する
NAT1は分化多能性を持っている

家族の都合により日本に帰国
Post America Depression
PADという鬱病になった

PADの原因:
世界で賞賛されるNAT1の研究が日本では理解されない.
研究はワクワクしてたのに、
いつの間にか楽しくなくなった。
逃げ出したくなった。

幸運なニュース。人間のES細胞ができた。
ES細胞を使って医学の役にたつかも!?
日本でも評価が高まり、奈良先端大学院のPIに。
研究室を持つことに。

ワークハードの無駄使いをしないためにビジョンをしっかり持つ!
目標:ES細胞の初期化. ヤケクソ.
皮膚の細胞に四つの遺伝子を加えると
万能細胞ができた。それがiPS細胞。
多くの人に評価される。

ただ、まだ患者を一人も救っていない。
患者を救うのが本質。これからが大事。

まとめ:
研究は忘れてもいい。
全てが順調にはいかないこと。
挫折、家族の他界、PAD

いい事も悪い事も、万事塞翁が馬:
いいときは用心を。
悪いときは希望を。
やって後悔しよう。
失敗は恥ずかしくない。
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