表6やっぱ間違ってた。これで、なんとか思惑通りの実験になったはず。
しかし、実験経過を無理矢理反映させようとしたから、
弱冠文章のロジックも無理矢理感があるような…
でも結果だけ書くのは虚しいしなぁ。
今後は、実験の順序と見通しをしっかり立ててから実験に臨まないとな。
それと次からは、必要最低限の工数で最大限の効果を持たせるように意識しなくては。
時間もちょっとかかり過ぎてるし。
・目次
0. 動作環境
1. 実験内容
2. 実験結果
3. 考察
3.1. Visual Route 8.0Jを用いた理論値の計測
3.2. ドメインSearch(Whois)を用いた理論値の計測
3.3. 各計測方法による理論値と実測値が違う理由
4. まとめ・感想
5. 参考資料
0. 動作環境
本実験に使用したコンピュータの動作環境は以下の通りである。次項から続く実験結果は、全て以下の環境下で計測した結果である。
動作環境:
OS: Windows XP Home Edition (5.1, Build2600) Service Pack 2
Processor: Genuine Intel(R) CPU T2300 @ 1.66GHz (2 CPUs)
Memory: 502MB RAM
通信形態:無線LAN
実験を行った場所:東京都北区赤羽
距離の計算方法:Google Earth
1. 実験内容
手順1.
各自のコンピュータから、できるだけ遠隔地にあると思われるコンピュータ 3台に対してpingコマンドを実行する。
その結果として表示されるMinimumの時間を、相手のコンピュータの名前と一緒に報告する。
手順2.
各自のコンピュータのIPアドレスを調べる。IPアドレスを調べるには各種の方法がある。
どのような方法を採ったか、その方法の説明と結果のIPアドレスを報告する。
手順3.
手順1で対象として選んだ相手方のコンピュータの1つを選ぶ。
自分のマシンと相手のコンピュータの間の距離を、何らかの方法で算出する。
この距離をシングルモードの光ファイバ中の光速(180km/ミリ秒)で割り、片道の通信時間の理論値を求めて報告する。
手順4.
手順3で算出した理論値と、手順1で求めた実測値は、通常は一致しない。この理由を考える。
実測値には理論計算で想定している他の時間要素が加わっている。この想定外の要素とは何か。これを考察して、各自の見解を報告する。
2. 実験結果
今回の実験の計測に用いたドメイン名は、以下の通りである。
・web.mit.edu 米国マサチューセッツ州マサチューセッツ工科大学
・www.stanford.edu 米国カルフォルニオア州スタンフォード大学
・www.ox.ac.uk 英国オックスフォード州オックスフォード大学
上記のドメインに対し、pingコマンドを行った結果を添付資料data01_tables.xls表1に示した。
このときに使用したコンピュータのIPアドレスは”192.168.1.19”である。また、このIPアドレスはコマンドプロンプトのipconfigコマンドを用いて調べた結果である。
次に、自宅から上記に示した各目的地までの直線距離と通信時間の理論値を表2に示した。
このとき、距離を求めるために用いた方法はGoogle Earthの距離計測機能である。
また、通信時間を求めるための通信速度には、シングルモードの光ファイバ中の光速(180km/msec)を適用した。
表1と表2に示されている片道の通信時間を比較すると、実測値は理論値よりも2倍から3倍の時間がかかっていることがわかる。
さらに、直線距離だけを比較すると、Stanford, Oxford, MITの順に観測地から遠くなっていくが、通信時間はStanford, MIT, Oxfordという順になっていることがわかる。
これらのことから、通信時間は距離以外の時間要素を持っている可能性がある、ということが分かる。
3. 考察
2.の実験結果から”通信時間は距離以外の時間要素を持っている可能性がある”ということが分かった。
しかし、2.の実験手順からだけでは「距離以外の時間要素が存在する」と断定するにはまだ早い、と考えた。
なぜなら、この結果はGoogle Earthで直線距離を計測した理論値だからである。
実際のネットワークは直線上に繋がっているわけではなく、各国のネットワークセンターや、各ルータ経由しているはずである。
つまり、通信の距離は、単純な直線ではなく、各経由点を経由した折れ線になるはずである。
よって、距離を実際の値にさらに近づけるために、各経由点を把握する必要がある。
そして、そのためには別の観点から再度測定した方がよい、と考えた。
3.1. Visual Route 8.0Jを用いた理論値の計測
各経由点を把握するためには、コマンドプロンプトのtracertコマンドを用いる必要がある。
しかし、今回は結果をグラフ化し、多くの整理された情報を簡易的に得るためにVisual Route 8.0Jというトレースソフトを用いて再度実測を行った。
このVisual Route 8.0Jを用いて得た測定結果を、添付資料の2枚目のsheet ” Data pictures3.1~3.3”の図3.1, 3.2, 3.3に示す。
また、この図3.1, 3.2, 3.3の”位置”欄に注目して、各経由地を経由した距離をGoogle Earthで測り、得た結果が表4である。
表4から、経由地を考慮した理論値と実測値を比較すると、各距離と通信時間の大小関係は一致した。
しかし、結果の理論値は実測値よりも1.5倍から2倍ほど大きい値となり、実測値とは大きく異なった結果となってしまった。
なんらかの未計算要素を踏まえても、理論値が実測値よりも大きいということはあまり考えられないので、この結果の計算方法に問題があると考えられる。
3.2.ドメインSearch(Whois)を用いた理論値の計測
ここで、図3.1, 3.2, 3.3の”ms”欄と”位置”欄の相互関係を見ると、国を経由した割にはさほど通信時間がかかっていない部分が多く見受けられる。
このことから”位置”欄に書かれている国を必ずしも経由しているわけではないのかもしれない、と考えた。
このことから、真の情報にさらに近づけるため、経由した各IPアドレスに対してWhoisサーチをかけ、直接自分でIPアドレスの持つ情報を調べてみた。Whoisのサーチにはhttp://www.gabura.com/のKIYO Project Web-Up-Serch/Gabura@Whois ver.0.1.4を使わせていただいた。
このWhoisサーチを用いて、各IPアドレスの持っている情報を調べ、各IPアドレスが使われている地理情報を調べた。その結果を表5.1, 5.2, 5.3に示す。
表5.1, 5.2, 5.3を見ると、やはり必ずしも”位置”欄に書かれた国を経由していないことが分かる。
ここで、これらの表に書かれている各経由点をGoogle Earthで結んでいき、その距離を再度計算しなおした。その結果を表6に示した。
表6に示されている往復通信時間の実測値と理論値を比較すると、各目的地までの理論値は実測値よりも下回っているので、
この計算方法にはまだ未計算の要素があると思われる。しかし、当初の直線距離で計算する方法よりは実測値に近い値を出すことが出来た。
また、距離と通信時間の順序関係も、実測した結果と同じ順序関係になっていることがわかる。
3.3. 各計測方法による理論値と実測値が違う理由
3.2の実験結果から考えると、通信時間には距離以外の時間要素があると考えられる。その要素が何なのかについて考察をしていきたい。
図3.1, 3.2, 3.3の”ms”欄,”グラフ”欄, ”ホップ”欄に注目すると、グラフが大きな傾きを示す箇所はほとんどが国を越える瞬間であることが分かる。
例えばOxfordの場合は、日本から一度アメリカを経由して、Sweden, London, Oxfordと繋がっているので、
大きな傾きが2箇所存在する。Stanfordも同様の傾きが見受けられる。
一方で、図3.1MITの結果を見ると、アメリカのNTT America, Incを経由するまでの通信時間は、
StanfordやOxfordの場合とさほど変わらない値になっているが、その直後に大きな傾きが存在している。
StanfordとMITの距離だけを比較すると、NTT America, Incを経由してから各目的地までの距離に、さほど大きな差は無い。
つまり、MITへの通信には距離以外の大きな時間要素が働いている、と推察できる。
また、経由点の数と通信時間は単調な正比例ではないことがわかる。いくつかの経由点では、次の経由点までにかかる通信時間よりも、
前の経由点までにかかる通信時間のほうが大きい箇所がある。また、この現象が起こる箇所は常に一定というわけではなく、
計測した時間帯によってその現象が起こる箇所は異なっていた。
これらのことから、距離以外の時間要素として3つの要素があるのではないか、と私は考えた。
一つ目の要素は、ネットワークのトラフィック状況である。
具体的に言えば、LANのCSMA/CDやトークンバッシング、TDMAなどの通信制御方式が起因しているということになる。
つまり、もしネットワーク上のある箇所に不特定多数のアクセスが重なっていれば、そこである種の通信制御が行われ、通信に何らかのロスタイムを被ることになる。
二つ目の要素は、ルータの経路探索である。
3.2の実験では大まかな経由地を考慮して計測を行ったため、同Global IP アドレス範囲内の経由地は、全て一箇所の経由地として計算した。
これは、ISP事業者を通さないと細かい各経由地の情報が得られないためである。
これにより、もし端折った各経由地を結ぶ線がジグザグな折れ線を示していた場合や、一度遠隔地を経由してから目的地に繋がる経路だった場合は、
さらに距離が加算されることになる。つまり、理論値の計算式には含まれていない通信時間が生じることになる。
その典型的な例が図3.1の”ネットワーク”欄に書かれている”Performance Systems International PSINET-B2-54”の範囲である。
ここでは、いくつもの経由地を経由していて、ある箇所では約70msもの時間がかかってしまっている。
これは、ルータの経路探索以外の時間要素も含んでいると思われるが、3.2の実験の計算仮定には含まれていない何らかの時間要素であることには変わりは無い。
三つ目の要素は、通信回線の種類である。
今回の実験では、通信回線は全て”光ファイバのシングルモード”という仮定のもと計算を行っている。
しかし、実際には他の回線を行っている箇所も多くあるはずである。
また、光ファイバは各通信回線の中でほぼ最速に近い通信速度を持っているので、
他の回線を用いている通信箇所があった場合は、それは比較的通信時間のかかる通信回線になってしまうことが多い。
よって、光ファイバではない通信回線の箇所の分だけ、通信時間が余計にかかってしまう。
以上のことから、通信時間には単純な距離以外にも、回線の混雑度や種類、また経由地を経由した回数も時間要素に含むことが出来ると考えられる。
4. まとめ・感想
時間があればさらに深い実験を行いたかったが、他の課題との兼ね合いもあるので今回はここまでとした。
結果としては、まだまだ不明瞭な部分もあるが、今持っている知識ではとても包括しきれないネットワークの深さを知った。
ネットワーク関するさらなる深い知識を、これからも着実に身に着けていきたいと思った。
5. 参考資料
WHOIS IPドメインサーチ アドレス 検索 Gabura Inc
http://www.gabura.com/ip.html
ネクスト・イット株式会社 製品 Visual Route
http://www.next-it.com/product/vw/vr/index.html
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